初心者のためのダンベルフライのやり方

筋トレメニュー

ダンベルフライの目的

(大胸筋[中部〜内側・上部/下部は角度で可変]・三角筋前部・上腕二頭筋[肘角度の保持で等尺的に関与])

ダンベルフライは、腕を“抱きかかえる”ように水平内転させて大胸筋を集中的に刺激するフリーウェイト種目です。プレス系と違い、肘の曲げ伸ばしで押さないため上腕三頭筋の関与が少なく、胸そのものの伸張と収縮を強く感じやすいのが特長です。可動域が広く、特にボトムでのストレッチ刺激に優れますが、そのぶん肩前面に負担がかかりやすいので重量選択とフォームの厳守が重要です。ベンチ角度を変えると、フラット=中部、インクライン=上部、デクライン=下部へと狙いを調整できます。

ダンベルフライのスタートポジション:

フラットベンチに仰向けになり、足は床にしっかり設置して下半身を安定させます。肩甲骨は「寄せて下げる」(軽く内転・下制)意識でベンチに固定し、胸を高く保ちます。
両手にダンベルを持ち、胸の真上で肘をわずかに曲げた状態(約10〜20度)で固定します。手のひらは向かい合わせ(ニュートラルグリップ)。手首は真っ直ぐ、前腕とダンベルが一直線になるようにします。
背中には自然なアーチを作り、お尻と上背部は常にベンチにつけておきます。視線は天井、首はリラックスさせましょう。

ダンベルフライの動作:

息を吸いながら、肘の角度を“変えずに”両腕を大きな弧を描くようにゆっくり開いていきます。ダンベルは胸と同じ高さ〜わずかに下(肩に痛みの出ない範囲)まで下ろし、胸のストレッチを感じたところで一瞬静止します。
息を吐きながら、大胸筋を“寄せる”意識で元の弧をたどってダンベルを戻します。トップでダンベル同士をぶつけず、胸にテンションが残る位置で止めます。反復中も肩甲骨のセット(寄せて下げる)は崩さず、肩をすくめないようにしましょう。

ダンベルフライのポイント:

  • フライは「押す」ではなく「抱きしめる」動き。肘の角度は終始固定(約10〜20度)し、戻しで肘を伸ばしてプレス動作にならないようにします。
  • 可動域は“痛みの出ないストレッチ”まで。下ろしすぎは肩前面のトラブル要因です。はじめは浅めのレンジから慣らし、徐々に広げましょう。
  • 肩甲骨は常にベンチへ固定(内転・下制)。肩が前へ丸まる(プロトラクション)と胸への刺激が逃げ、肩に負担が集中します。
  • エキセントリック(下ろし)をゆっくり(目安2–3秒)、ボトムで一瞬静止、コンセントリック(戻し)はコントロール重視。反動は使わないこと。
  • 重量は控えめを選択。フォームが崩れる重さは禁物です。ストレッチ感を得たいときほど軽め+丁寧な軌道で。
  • バリエーション:インクライン(15〜30度)で上部狙い、デクラインで下部狙い。ケーブルやマシンに替えるとトップでも張力が抜けにくく、可動域全体で負荷を乗せやすくなります。
  • 違和感が出る場合は、ベンチ角度を浅いインクラインに変える/レンジを狭める/ダンベルの軌道をやや斜め前方にするなどで肩のストレスを軽減できます。

※目安リズムとボリュームの一例:
3–1–1のテンポで8–12回×2~4セット。プレス種目の後に仕上げとして入れると、パンプと収縮感を高めやすいです。

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