中年男性のダイエットで「たんぱく質」はどれくらい?
腹囲や中性脂肪が気になり始めた――極端な制限より、まず整えるべきはたんぱく質。少なすぎれば筋量低下、多すぎれば腸内環境の悪化を招きます。
この記事では、安全レンジ(減量期1.6〜2.7g/kg)を軸に、体脂肪が高めの人向けの目標体重ベース計算、2週間で効果を判定する週平均体重・腹囲のチェック法まで、健康第一の設計をまとめました。
最初に結論

- 減量期の目安:
- 体重1kgあたり1.6〜2.7g/日(図のとおり)。40代は2.0〜2.4g/日に寄せると無難。
- 増量期の目安:
- 1.6〜2.2g/日。
- 1日の合計だけでなく配分が大事:
- 1食あたり0.3〜0.4g/kg(25〜40g)を3〜4回。
- 摂りすぎ→腸内環境の悪化・便秘・胃もたれが出やすい。摂らなさすぎ→筋量低下・代謝ダウン。
- まずは2週間、目安量を守って体重・腹囲・筋力の週平均で効果を確認。
なぜ40代は多めが良いのか?
加齢で筋たんぱくの合成感受性(いわゆる“アナボリック抵抗性”)が低下し、同じ量でも若い頃ほど筋肉の材料になりにくい傾向があります。
そのため減量期は、カロリーが足りない中でも筋肉を守るために、やや高め(2.0〜2.4g/kg)を狙うのが実務的です。
体重ベース?それとも目標体重ベース?
体脂肪が多い人は、現体重で計算すると量が過剰になりがち。
- 体脂肪率が高め:目標体重(または推定の除脂肪体重)に対して1.6〜2.4g。
- 体脂肪が標準的:現体重に対してOK。
具体例
- 体重75kg、減量期→ 2.2g/kg:
→ 165g/日(朝35g/昼45g/トレ後35g/夜50g など) - 体重85kgだが目標75kgの場合(目標体重で計算):
→ 75×2.0=150g/日
1食あたりの「効く」量
- 0.3〜0.4g/kg/食(70〜80kgなら25〜30g以上)を目安に、3〜4回に分ける。
- トレーニング日は終了後30〜90分に25〜40g(吸収が速いホエイ等)を入れると扱いやすい。
- 就寝前はゆっくり吸収されるカゼイン・乳製品も相性〇。
摂りすぎ・摂らなさすぎのチェック
●摂りすぎサイン
- 便秘・下痢、ガス、口渇が強い、脂質や炭水化物が過度に削れてパフォーマンス低下
→ 水分・食物繊維(20〜30g/日)を増やし、たんぱく質は0.2〜0.3g/kgほど下げる。
●摂らなさすぎサイン
- 体重は落ちるが筋力が下がる、見た目が“しぼむ”、空腹感が強い
→ +20〜30g/日をまず追加(間食のプロテインや乳製品、卵で)。
現実的な「食べ方」ガイド

コンビニ・外食で揃えるなら
- サラダチキン/胸肉グリル/焼き魚/ローストビーフ
- ギリシャヨーグルト・カッテージチーズ・低脂肪牛乳
- 卵2–3個+納豆/豆腐/枝豆/大豆ミート
- ツナ缶(水煮)・サバ缶
→ 主食(ご飯・麺)はトレ周りに厚め、脂質はナッツ・オリーブ油で微調整。
自炊の小ワザ
- 鶏胸・豚ヒレ・赤身ひき肉・白身魚を作り置き。
- 味付けは塩こうじ・しょうゆ麹・ヨーグルトで柔らかく。
- 具だくさん味噌汁(豆腐・わかめ・きのこ)でたんぱく+食物繊維+水分をまとめて確保。

1日のモデルメニュー(75kg/150〜165g/日)
- 朝:卵2個+卵白2個、ギリシャヨーグルト200g、フルーツ
- 昼:鶏胸150g・雑穀米150g・野菜たっぷり
- トレ後:ホエイプロテイン30g+バナナ
- 夜:白身魚200g、豆腐半丁、サラダ、味噌汁
- 間食(足りなければ):ツナ缶 or さば水煮1/2缶、低脂肪乳
よくある質問
Q. サプリは必要?
A. 食事で届くなら不要。足りない分だけホエイを1〜2杯補うのが最も楽。
Q. 炭水化物や脂質は削るべき?
A. P(たんぱく)を確保した上で、減量期は脂質 or 炭水化物のどちらかを控えめに。筋トレの質を落とさないため、トレ周りの炭水化物は残すと安定。
Q. 腎臓は大丈夫?
A. 既往症がなければ一般的な範囲で問題ないとされますが、腎機能に不安がある人・医師から制限を受けている人は必ず医療者に相談を。
進め方(2週間トライアル)
- 目安量(減量期なら2.0〜2.4g/kg)を決める。
- 3〜4回に分け、各食25〜40gに。
- 水分・食物繊維を十分に。
- 週平均の体重・腹囲・主要リフトを記録。
- 体調や筋力を見て**±20〜30g**で微調整。
まとめ
- 減量中の40代男性は、筋肉を守るためにやや高めのたんぱく質が“保険”。
- 総量+配分+消化のしやすさまで設計すると、空腹と停滞に強くなります。
- まずは2週間。数字と体の反応で最適量を見つけましょう。